でんでん図書館


ここでは私が読んで気に入った本などを紹介します。
書籍の紹介はここ以外に「法廷通訳」の中や「スペイン語」の中にもありますので、そちらもよろしくお願いします。
なお、価格は私が購入した時のものなので、変更になっているかもしれません。ご了承ください。


新井素子 作『チグリスとユーフラテス』集英社 1,800円+税
★★★★★
地球から人類が移民した惑星「ナイン」。なぜかある時期から人々の生殖能力がなくなっていき、人口が激減、ついに最後の子供として生まれたルナひとりになってしまいます。取り残されたルナはコールドスリープ(冷凍冬眠)していた人たちを時代の新しい人から順番に起こし始めます。起こされたのは、それぞれの時代の特権階級の女性たち。4人の女性たちの「日記」でつづる、惑星の逆さ年代記です。結婚後少しパワーダウンしていた感のある新井素子ですが、久々のヒットでした。それぞれの時代の「常識」の差。人口爆発や少子化の問題。少子化の時代、生殖能力があるというだけで特権階級にある女性の、なかなか子供ができないあせり。そして、この惑星の母親とも言える女性の、心に秘めたロマンス。読みごたえのあるSF小説です。女性には特にオススメです。


本川達雄 著『ゾウの時間 ネズミの時間』中央公論社 (660円)
★★★★

動物はサイズによって寿命も生活のリズムも全部違います。でもよく調べると、一生の間に心臓が打つ総数はゾウでもネズミでもみんな一緒なんです!
生物学の本なんですが、かたくるしくなくってとても面白いです。電車の中で読んでいて、ヒトデがどうやってものを食べるか知ったときはびっくりして大声をあげそうになりましたし、「なんでこんな楽しいこと、学校で教えてくれなかったの!」としきりに思いました。オススメです。


立川談之助 著『宇宙人とのつきあい方 オフィシャルハンドブック』小学館 1,400円+税
★★★★

もし宇宙人が隣に越してきたら、いったいどうやってお付き合いしたらいいのでしょうか。どういう宇宙人が危険で、どういうのが安全にお付き合いできる人たちなんでしょうか。宇宙人の見分け方も知っておきましょう。恋人が宇宙人だった場合のメリットやデメリットもこの本は教えてくれます。
落語家の書いた爆笑もののオススメ本です。頭のかたい人はやめておきましょう。著者の幅広い知識には脱帽するばかりです。


清水義範 作『バールのようなもの』文藝春秋 1,553円+税
(>文春文庫から再刊されてます)
★★★

短編集です。収録された作品をいくつか紹介しましょう。
「バールのようなもの」...ニュースを見ていた男が、「バールのようなもの」という表現が気になって、あれこれ調べているうちに大変なことに。
「○○についてどう思いますか」...テレビの街頭インタビュー。そんなものよね、テレビなんて。
「みどりの窓口」...JRの窓口の職員は大変なんです。だってもう、とんでもないお客が次から次へと来るんですもの。なんとかしてあげて。
えっ、この紹介じゃわからない?では読んでください(笑)。
個人的には前半に気に入った作品が集中しています。


中川李枝子 作・中川宗弥 絵『ももいろのきりん』福音館 1,068円+税
★★★★★

るるこはおかあさんからとても大きなももいろの紙をもらったので、それを使ってきりんのキリカを作ります。するとどうでしょう。キリカは話ができ、走り回れるようになったのです。2人の楽しい生活が始まります...。
子供の頃とても好きだった本です。幼稚園で借りて読んだので、大人になってからあらためて買いました。文章の軽快さに加え、気のきいた挿絵がわくわく度を高めてくれます。4才〜小学校初級向き。


バージニア・リー・バートン 文・絵/石井桃子 訳『ちいさいおうち』岩波書店 583円+税
★★★★

田舎の静かなところにたっていた小さいおうち。ところがまわりにどんどんビルが建ち、車が電車が走り、うるさくなって、お日様もよく見えなくなってしまいます...。
これも子供の頃大好きだった絵本です。ちいさいおうちの行く末にハラハラしながら読んだものです。やはり幼稚園で借りて読んでいたので、大人になってからあらためて買いました。今見ると挿絵は必ずしも私の好みのタッチではないのですが、ストーリーは何度読んでも素敵です。


鈴木松美 著『音の犯罪捜査官』徳間書店 (1,500円)
★★★★

元科学警察研究所在籍、現在は日本音響研究所所長の鈴木松美氏が、みずから手がけた事件を題材に、声紋鑑定について書いているノンフィクションです。甲府信金OL誘拐殺人事件やアキノ氏暗殺事件の話などは「すごいっ!」の一言に尽きます。歴史上の人物の声を合成した話も面白いです。


城生佰太郎・松崎 寛 著『日本語「らしさ」の言語学』講談社 1,700
★★★★

「バカッ母」はどう読むのか、とか、ドラえもんの道具のネーミングの秘密を探る、とか、ユニークな視点から論じる日本語論です。日本語学や言語学に興味がある方はもちろん、軽い読み物という感じなので、一般の方にもオススメです。結構、笑えます。


泥棒研究会 編集『盗みの文化誌』青弓社 2,060
★★★

スリはなぜ強盗をバカにするのか。十五夜に農作物を盗む習慣はどこから来たのか。骨泥棒の心理は...。などなど、泥棒についての歴史や様々な考察を綴ったちょっと一味違う本です。


尾辻克彦 著『ライカ同盟』講談社 1,500
★★★

特別にカメラに興味がなかった私でも、これを読んでいるうちにライカがとても欲しくなってしまったという不思議な本です。カメラに対する情熱を綴った話を中心に、星を観察する話や友人の胆石の話など、いくつかの話が書かれています。


佐々木 洋 著『都市動物たちの事件簿』NTT出版 1,300
★★★

東京で夜鳴きゼミが増えた話や矢ガモの話、都心に暮らすコウモリの話、カラスがクリーニング屋のハンガーを組み合わせて巣を作る話など、都市の動物たちの不思議な話が詰まった本です。


織田一朗 著『時計の針はなぜ右回りなのか』草思社 1,500
★★★

時と時計に関するあらゆることを解説した本です。「年とともに月日の経つのが早く感じられるのはなぜか」という話がなかなか興味深かったです。


広野伊佐美 著『幼児売買〜マフィアに侵略された日本〜』毎日新聞社 1,359円+税
★★★

衝撃的な幼児売買の話に始まって、タイの売春の実態、米軍兵の犯罪、偽装結婚シンジケートなどの「裏世界」が見えてくる本です。幼児売買は世界的な問題で、養子縁組のふりをして実は移植用の臓器目的...などという恐ろしい話もあるようです。


きたやまようこ 作『イスとイヌの見分け方』理論社
★★★

イスとイヌ、あなたはちゃんと見分けられますか?さあ、どこが違うかよく考えてみましょう。とても楽しい絵本です。